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関前村ではいろいろなボランティアのやりとりをしています。先ほど「島姑がたくさんいてうるさくてたまらない」と言っていた神戸から来た若いお嫁さんは、積極的に送迎ボランティアやミカン山に行くお年寄りのお手伝いなどをしています。彼女が先日話してくれたことには、「本当に良かった。私は今まで島のお年寄りは怖いものだと思っていたけれども、いろいろな知識・体験・経験を息子たちにも教えてほしいと思っています」と言っていました。

 

●1人ひとりの考え、提案が1つの大きな事業へと発展していく

 

この74歳のリーダーの女性が今、何をしているかというと、村長のところに話に行きまして、この村に何が必要か提案をなさっています。「“グループだんだん”として私たちはこの部分の援助ができます。村長としてどうぞ、この部分を手伝ってください」というような提案をしいます。決して陳情ではなくて建設的で前向きな提案を次々と打ち出しています。その1つを紹介しますと、島の診療所の2階が長い間空いていました。そこで島にはちょっと病気になったときのためのショートステイ的場所が必要なのです。しかしそのショートステイをつくるだけのお金はありません。そこで「グループだんだん」の人たちが、「私たちのグループのなかには元看護婦もいますし、私たちが世話をしますから場所を貸してください」と村長にお願いをし、その結果新しい事業が「グループだんだん」の人たちの提案で生まれてきています。
私が福岡の皆さんにもお願いしたいことは、事業というのは上から、市から与えられて自分たちがそれをいやいやするものではなくて、皆さんお1人お1人が考えて、提案していくものではないかと思います。また福岡市の方々には、その提案したことは「なんやこんなの面白くない」ではなくて、1つ1つそれを組んで、1つの事業では小さくても、それを集めればきちんとした福岡市としての立派な事業になると思うのです。ですから、官と民それから企業とがお互いに助け合うような力を発揮していただきたいと思います。

 

田中 ありがとうございました。いろんな課題が出ておりますが、山田さんのほうにお聞きしたいのですが、視覚障害のいろいろなボランティア活動はよくわかりましたが、ボランティア団体の運営という観点から言いまして、例えば予算の問題だとか、100人以上もいらっしゃると団体のリーダーの運営も大変だと思うのです。そこらあたりを、ボランティア団体をやってらっしゃる方、やろうとしている方の参考になることがありましたら、お話を伺いたいと思います。

 

●ボランティアは時間と体と夢があれば可能

 

山田 私どものサークルはまずガイドボランティアサークルということですので、ガイドの技術、いわゆる「手引き」の方法を学んでいただかなければなりません。公的には福岡市ボランティアセンター主催でありますガイドボランティアの養成講座に来ていただきます。実は今週の土曜日から、11月の5日、12日13日と3回の講座が開かれますけれど、それを受講してガイドの仕方を学んでボランティアに入っていただくということです。

 

 

 

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